友岡和彦がプロデュースする、スポーツ選手、コーチ、トレーナー、トレーナーを目指す人のための情報コミュニティサイト

produced by 友岡和彦
SportsTrainers.jp お問合せはこちら
ABOUTSEMINARVOICESPROGRAMSBLOG
PROGRAMS
カテゴリー
スピード・アジリティ

「リサーチレビュー:Stepping Backward Can Improve Sprint Performance Over Short Distances」

今回紹介するリサーチは、2種類のスタンスからの加速(0-20m)の速さを比べたものです。両足を平行にそろえたスタートの姿勢(パラレルスタンス)から、(1)フォルススタート(false start)、つまり1歩足を素早く後ろに引いてからのスタート、と(2)片足を前に踏み出してからの加速の速さを比べるものです。コーチから時々指摘される、このフォルススタートが実際に、加速にマイナスの影響を与えるかを実際に検証したものです。さらにこのリサーチでは、この2つのスタート方法に加え、スタートの状態で片足を最初から引いた状態のスタート(スプリットスタート)とも比べています。このリサーチから、現場でのコーチングにヒントとなるものがあると思います。

David M. Frost(1),
John B. Cronin (1), (2)
Gregory Levin (1)
(1)School of Exercise and Health Science, Edith Cowan University, West Australia, Australia
(2)School of Sport and Recreation, AUT University, Auckland, New Zealand


測定対象者 スポーツ経験のある27人のボランティア
平均年齢 22.1歳 ±2.9歳
平均身長 180.1cm ±6.6cm
平均体重 76.1kg ±7.7kg


スタートの姿勢
このリサーチでは、ブザーによる合図の後以下の3つのスタート方法で行いました。
1:フォワードステップスタート 両足をスタートラインに合わせて平行にそろえ、右足を1歩前方に踏み出してからのスタート。スタート直前に、重心が前方に向かうように、足首から前方向に倒れるように行いました。

2:スプリットスタート 最初から右足を後ろに引いた状態からのスタート。

3:フォルススタート 両足をスタートラインに合わせて平行にそろえ、右足を1歩素早く後ろに引いてからのスタート。最初の前方への一歩は1,2と同様に右足で行います。



計測
10分間の軽いジョギング、ダイナミックストレッチの後、測定。
0m(スタートラインから1歩目の右足を踏み出すまでの時間、およそ0.5m)、2.5メートル、5mまでの加速時間をビームセンサーによる測定


結果
スタートの姿勢 0m(秒) 2.5m(秒) 5m(秒) 0-2.5m(秒) 2.5-5m(秒) 0-5m(秒)
フォワード 0.80 1.55 1.99 0.74 0.44 1.19
スプリット 0.69 1.31 1.74 0.62 0.43 1.05
フォルス 0.81 1.45 1.89 0.65 0.44 1.08

フォワードスタートとフォルススタートでは、0m地点までの0.5メートルまでのタイムはほぼ変わらないが(パラレススタートでは0.8秒、フォルススタートでは0.81秒)、2.5メートル、5メートル地点までのタイムを比べると、フォワードステップのほうがはるかに遅い測定結果となった(フォワードステップは、フォルスステップに比べて2.5メートル、5メートルまでのタイムは、それぞれ6.4%、5.3%遅かった。) さらに、0メートルまでの初動作を除いて、ゲート1からゲート2までの時間、そしてゲート2からゲート3までの時間をフォワードスタートとフォルススタートで比べると、ゲート1からゲート2までの最初の2.5メートル地点までのタイムだけにおいて、顕著な違いが見られた。
つまり、あるコーチから間違った初動作とされているフォルスステップ(最初の後ろ方向へのステップ)は、実際は、最初から前方に1歩踏み出すフォワードステップよりも加速のスピードにおいて優位といえる。また、人間の動作として、フォルスステップを踏むことは、無意識のうちに行われる自然な動作とも言われている。

<< トレーニングプログラム一覧へ


copyright(C)2008 SportsTrainers.jp All Rights Reserved.
DNSDOMEcorporation