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トレーニング・リハビリについての考え方

「トレーニングプログラム」

これまでのトレーニングコラムでは、傷害予防やパフォーマンス向上のためのトレーニング方法について説明してきました。私自身、つい細かいところだけに目がいきトレーニング・プログラムまたはプランニングといった大きなところについての説明が欠けていたように思います。ただ単に選手が来たから、リフティングをさせるだけではなく、ストレッチ、スピード・アジリティ、リフティング、体幹トレーニング、傷害予防ドリル、クールダウンを含めたトータルな面での、トレーニングのプランニングがよりよいプログラムを作るのに必要になってきます。そうすることによって、チームや個人のプログラムが体系的になり、1つの狭いトレーニング方法だけに陥ることを防ぐことができると思います。まず、ここでは上に上げたトレーニングをどの順番で行うかを考えながら、トレーニングの項目を順番に挙げていきます。詳しいトレーニングドリルについての説明は、紙面上の都合上、極力ここでは避けたいと思います。これを参考にして、専門のトレーナー、ストレングスコーチのいない競技チームが効率的にトレーニングのプランを作れると思います。いわゆるトレーニングの大きな地図作りです。

ストレッチ・ウォームアップ:

ここでは、それぞれのトレーナーのポリシーが関係してくると思います。ジョギングなどのウォームアップを10分ぐらい行います。そして、フォームローラーやマッサージによって筋肉や健の「凝り」を、ほぐしそれからスタティック・ストレッチを行います。ここで言うスタティックストレッチは、ただ単に1つの筋肉群をストレッチするだけではなく、筋肉と筋肉を結ぶ筋膜のストレッチも重要になってきます。以前話したように、体は足の裏から頭まで、筋肉、健、または筋膜によってつながれています。そこで、ある部位に過度な負担がかからないように、筋肉が機能する連携パターンでストレッチを行うようにします。それから、今度は実際のトレーニング、技術練習、または試合に体が素早く順応するようにアクティブストレッチを行います。これは、単に筋肉のストレッチだけでなく、バランスをつかさどる神経系に刺激を与え、これから練習や試合で起こりうる動作に体を慣らす目的があります。そして、傷害予防のためには、代償作用を起こさないように正しい筋肉を活性化させるアクティベーションドリルも含まれます。

スピードトレーニング:

スピードトレーニングでは、もちろんスピードを向上させるためのトレーニングです。そして、スピードを向上させるためには、体が疲れていない、体のフレッシュな状態で行うのがベストだといわれています。そこで、スピードトレーニングをウォームアップ・ストレッチの直後に行います。体を早く動かすというのは、単に筋肉だけの仕事ではなく、神経系の刺激もとても大きく関わってきます。そして、神経系が疲れている中で、スピードトレーニングを行っても効率的な刺激が期待できず、ただ単に選手を疲れあせるだけのコンディショニングドリルになってしまいます。スピードトレーニングがコンディショニングドリルにならないように、走る時間と休憩の割合を1:5に保ち、できるだけ1回1回のドリルを全力で(90%以上)行わせるようにします。

パワー・ストレングストレーニング:

ここでは、いろいろなパワートレーニング、ストレングストレーニングが含まれます。ストレングストレーニングに関しては、いろいろなトレーニング方法・方針があり、後日説明したいと思います。ストレングストレーニングについては、コーチによって大きな考え方の違いがあり、年々新しい考え、トレーニングドリルなどが紹介されますが、これに惑わされず、まずは自分自身のトレーニング・フィロソフィーを確立することが重要になってくると思います。技術練習がある場合には、技術練習をストレングストレーニングの前に行います。パワートレーニングは、必ずストレングストレーニングの前に行います。以前のコラムのプライオメトリックストレーニングを参照してください。

体幹トレーニング:

詳しいトレーニング方法に関しては以前のトレーニングコラムを参照してください。体幹トレーニングは、ストレングストレーニング後に行います。これは、体幹トレーニングによって体幹部が疲労することで、体幹部の安定性が欠如し、ストレングストレーニング中の傷害を防ぐ意味があります。また、この体幹トレーニングでは3つのドリルを行います。1つ目は、体幹部の筋力・安定性強化のための腹背筋ドリル、2つ目は、バランスボールを使って可動域を十分に用いて、体のバランスを意識しながら行う体幹ドリル、そして3つ目が体全身の連係動作を鍛えるための、メディシンボールトレーニングです。体幹トレーニングで重要なのが、呼吸、フォーム、意識です。細かいことからしっかり指導していきましょう。

コンディショニング(根性練):

ここでは、有酸素運動、無酸素運動を含むコンディショニングを行います。有酸素運動は、全身の血流を促し、乳酸の除去を目的として、練習や試合のリカバリーの一環として行います。ダッシュやインターバルのいわゆるきつい練習、または根性練派、コンディショニングのベースを鍛えるという意味で試合の時期に合わせて、コンディショニングのスケジュールを組み立てて行きます。一般的には、オフシーズンが始まったころには、有酸素運動や眺めのインターバルトレーニングを行い、シーズン前にはダッシュ系の短距離走(スピードトレーニング)、また実際の試合で起こりうるスピードでトレーニングするにします。スピードトレーニングの項目で書いたとおり、スピードをトレーニングする場合には、体に疲れていない練習前、そして、コンディショニングは練習後に行うようにします。

傷害予防ドリル:

ここでは、体の傷害、特に慢性的な傷害を予防するためのドリルが含まれます。特に、ここでは股関節の可動性、体幹部の安定性、胸椎の可動性、肩甲骨の安定性、そして肩関節の可動性を中心にエクササイズを行います。これらのトレーニングについては、後のトレーニングコラムで取り上げたいと思います。また、以前に傷害経験を持つ選手は、再度の傷害予防のためのドリルを個人的に行います。

クールダウン:

これは私自身、重要だとは思っていながら、つい気を抜いてしまう項目でもあります。これは、その日のトレーニングの疲労を次のために蓄積させないための重要なトレーニングの一環です。試合後やきつめの無酸素トレーニング後には、15分ほどの有酸素運動(バイク、ジョギングなど)で、乳酸の除去を促します。そしてその後、再度軽めのマッサージまたはフォームローラーを用いて、筋膜の「癒着」を取り除き、その後全身のスタティックストレッチをおこないます。このタイミングでヨガを行うのも良いでしょう。

栄養補給:

トレーニングの一環として栄養補給を行うことを忘れずに行いましょう。トレーニング中には、筋肉に過度なストレスが加わります。そして、そのストレスに体が正しく順応することによって、身体能力の面で向上していきます。しかし、トレーニング後に正しい栄養補給、休息ができず、それが一定期間続くとオーバートレーニングにつながってしまいます。そのためフィジカル面のトレーニングだけでなく、栄養補給と休息を総合的なトレーニングの一環と考えるようにしましょう。

下にサンプルとなる、週間トレーニング計画表をのせています。これを参考として、時期(シーズン中、オフシーズン、シーズン直前)やスポーツの特殊性に合わせて、ぜひ計画を立ててみてください。
週間トレーニング計画表(サンプル)
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